当事業所で行われたサービスの一例を紹介致します。
訪問リハビリをご検討する際の参考にして頂けたら幸いです。

【対象者】 70代 男性
【疾患名】 脳出血後遺症 左片麻痺
【自宅環境】奥様、息子と3人暮らし
【サービス開始までの流れ】
・脳出血後、回復期病院にてリハビリを行なった後ご自宅に退院される。
・左片麻痺及び廃用症候群により下肢の筋力低下がみられ車椅子や
ポータブルトイレへの移乗動作が1人では困難
・リハビリに対する不信感、自暴自棄な発言などが多く聞かれる。
【本人・家族の希望】
車椅子やポータブルトイレに安全に乗り移りができる様になりたい。
屋内を出来れば歩ける様になってほしい。
サービス内容及び経過

【介入初期】
●ベッドから車椅子やポータブルトイレへの移乗動作練習や麻痺則及び健側下肢の筋力増強運動を実施。
また、ベッドやポータブルトイレの高さの調整を実施。
?退院時介助下でのみ動作可能であったが、1人で乗り移りが可能となる。

【1?6ヶ月】
●歩行練習を開始
?出来る動作が増えたことによりリハビリや生活について前向きな発言が聞かれる様になり歩行練習を開始。
ケアマネージャー、福祉用具業者の方と連携を図り歩行補助具を選定するとともに、麻痺側下肢の装具作成に取り掛かる。

【6ヶ月?現在】
●屋内歩行動作が見守りにて可能となり、屋外歩行や車に乗って外出することへの意欲がうまれる。
?装具・4点杖を使用し、屋外歩行練習を開始。また、実際に車への移乗動作を練習し動作を獲得する。
現在、少しずつではありますが、やりたいことなどの発言が増え、住み慣れた在宅での生活に対し前向きになることが出来ました。
また、当初に比べてご家族の介護負担が減ったことで身体的・精神的なフォローを行なうことが出来ました。

まとめ

介入当初は回復期病院の退院後の間接拘縮の予防、移乗動作の獲得が目標でしたが、出来る動作が増えることで、新たな目標が生まれやりがいをもつが出来ました。
また、外出機会を得たことで、以前行なっていた趣味(絵を描くこと)などに対しても関心が向く様になりQOLの向上にも繋げることが出来ました。
本人や家族の希望や悩みに寄り添い対応することで結果的に一度は諦めていた歩行動作も可能となってきており、本人の能力や状態に合わせたリハビリを実際の生活場面で継続的に行なうことでADLやQOLの向上が得られる可能性があるということを改めて確認することが出来ました。

TOP